- 仕事がどうしても続かない…
- もっと長く続けたい…
- 自分にあう仕事を見つけたい…
- 転職ばかりで将来が不安…
- 自信がなくなってきた…
- いったいどうすればいいんだ…
- HSPだからなのだろうか…
今回は、こういった疑問にお答えします。
著者である僕は、10カ所以上の職場を転々としました。
さすがに1カ月で辞めてしまったときは、
「もう、どこへ行ってもやっていけないんじゃないか…」
「自分はなんてダメなんだ…」
そんな風に、自分に自信を失くしてしまいました。
しかし、最初はダメかと思ったけど、後々うまくいくようになった職場もあったんです。
その当時の状況について、自分がHSPであること踏まえて振り返ると、いくつかの原因と対策が見えてきました。
このように、10か所以上を転々とした僕の経験を交えつつ、論理的に解説していきます。
この記事の内容
HSPの仕事が続かない3つの理由
HSPの仕事が続かない理由は、ひとことで言うと「HSPのメリットを活かせず、本来のパフォーマンスが発揮できない」からです。
メリットを活かせないがために、前面に出てくるデメリットこそが、仕事が続かない原因であるといえます。
それでは、さらに具体的にお話していきます。
HSPは少数派のため周囲と合わず孤立する
そもそもの話、HSPは人口あたり5人に1人の希少な存在。
そのため、周囲と気が合わず孤立する可能性が上がります。
例えば、HSPのあなたが仕事で「これ…なんでみんな気づかないんだろう」という改善点を発見します。
しかし、繊細なあなたであるが故に気付くことなので、他の非HSPな人からすれば、気にもとめないようなことだったりします。
そこで、たとえ実際に声にだしても、
「はあ?そんなのどーでもいいよ」と一蹴されてしまいます。
職場に10人いれば、共感してくれる人がたった1人いれば良い方。
8人が束になってあなたを否定にかかってきます。
もちろん、全員が文句をいってくるわけではありません。
しかし、あなたはHSPであるがゆえに、何も言ってこない人であっても、心の中では否定されていることを感じ取ってしまいます。
こうしてHSPは孤立し、やがて仕事を続けることができなくなります。
嫌われている空気を察知して辛くなる
HSPのあなたは、自分を嫌う人に対して非常に敏感です。
なので、自分に対するマイナスな感情を感じ取って辛くなります。
例えば、新人のHSPは自分が仕事ができないことで、どう思われているかも察知してしまいます。
最初から仕事ができる人などいません。
なので、仕方ないだろうと割り切ることができれば良いものの、HSPに図々しくなれというのは、相当に難しいことです。
結果、HSPのあなたは自分を責め、辛い気持ちになります。
そんな風に辛い気持ちで仕事を続けることは、相当に困難なことです。
気になることが多くて集中できない
HSPは音や光、臭いなどに敏感です。
何を苦手とするかはHSPの人にもよりますが、他人と仕事をする上で避けては通れない物ばかりです。
たとえば
- タイピング音
- 電話やLINEの着信音
- 過剰な香水の臭い
- 先輩の貧乏ゆすりのわずかな振動
- 同僚が怒られている雰囲気
- ひそひそ話のコショコショ響く感じ
- 腕時計やスマホに反射した光が顔に当たる
ちょっと思い浮かべただけでも、たくさんあります。
正直な話、こういうことがあるだけで、どんどん集中力が削られてしまいます。
そんな状態で、まともに仕事ができるかといえば、答えはノーでしょう。
負のスパイラルに陥ってしまう
上記のような原因により、HSPは以下の①~⑤を繰り返し、最終的には職場に居づらくなってしまいます。
- 新しい職場で仕事がまだできない
- それを責められている気がする
- さらに周囲の影響で集中力が下がる
- より仕事のパフォーマンスが下がる
- 仕事ができない…以下ループ
こうして、やむなく退職し新しい職に就くのですが、同じように①から順番に繰り返すことになってしまいます。
- HSPは少数派なので他人と合わない
- 嫌われている空気を察知して辛くなる
- 気になることが多すぎて仕事に集中できない
- 負のループに陥って抜けられなくなる
- これらの要因がからまり、あなた本来の実力が発揮できていない
これが、HSPの仕事が続かない理由です。
次の章では、これらの原因を踏まえた対策についてお話していきます。
HSPが仕事を長く続ける方法
HSPが仕事を長く続ける方法は、時間的、精神的な余裕を作ることです。
心に余裕を持つには、HSPを治すしかないのでは…?
なんて思う人もいると思います。
しかし、治すどころか日々の生活に追われていて、HSPをどうするかなんて、考える余裕すらないというのが現実ではないでしょうか。
そしてそもそも、HSPとは持って生まれた気質でもあるため、短期間で劇的にコントロールできるようなものではありません。
反対に、HSPの気質を活かすという手もありますが、これもすぐには難しい面があります。
そこで、毎日の生活に時間的、精神的余裕を持つことができれば、自分のHSP気質への対処を考え実践する余裕ができます。
それでは、その方法を具体的にお話していきます。
在宅ワークにできるなら迷わず切り替える
まず、在宅ワークに切り替えられるなら、真っ先にするべきです。
HSPの辛さをどうにかするよりも、他人からの影響をカットし、実力を発揮しやすい状況にしてしまうことの方が、早く確実に成果を上げられます。
あなたが本来の実力を発揮できれば、今よりもっと仕事が楽になり、余裕をもって続けられるはずです。
お店の店員さんなど、現場で働かれている人にはこれはできませんが、できるのであれば在宅ワーク一択です。
会社の近くに引っ越す
HSPの人は、通勤時のバス、電車など公共交通機関でもかなり疲弊します。
僕も、仕事より通勤が辛い時期がありました。
この通勤時間が短くなるだけでも、かなりの精神的負担を減らすことができます。
たとえば、
- 徒歩、バス、計30分の通勤
- 徒歩、バス、電車、計1.5時間の通勤
この両者を比べると、通勤時間に3倍もの差があります。
特に電車というのは、非常に人が多く、なによりすべての人がマナーを守って乗車しているわけでもありません。
- 香水が臭う人
- なんか怖い人
- 大声で話す人
- 何か食べてる人
- 平気で通話し始める人
- イヤホンから音が漏れてる人
- 足を広げて2人分の席を占領してる人
ならべたらキリがありません。
特にHSPにとっては、こうした人を見るだけでも非常に辛い気持ちになったりすると思います。
ぼくは今在宅で仕事をしていますが、かつて電車通勤していた頃を思い出すと、毎日本当に辛かったです。
そこで、会社の近くに引っ越してしまうのも一つの手です。
しかし、引っ越してからすぐに辞めてしまうと、引っ越したことがムダになってしまうことにもなり得ます。
ですので、この後に紹介する方法もすべて試し、ある程度その職場でやっていけそうな希望が見えてから、引っ越しを検討することをオススメします。
簡単なストレス解消に走らない
これは非常に重要です。
特に、初めての職場や、まだ慣れない間は、仕事が終わるとかなり疲れると思います。
HSPですから、もちろんたくさん気を使います。
限界ギリギリのストレスを解消するために、何か自分にご褒美をあげたくなると思います。
ぼくも、初めての職場での仕事が終わったときなどは、コッテリしたラーメンや、セブンイレブンのシュークリームを大量に食べたりしていました。
ガツガツと食べることで「びゃあうまいぃぃ!」と幸せな気持ちになり、次の日の仕事の不安を紛らわしていたのだと思います。
しかし、これはやめた方がいいです。
なぜかというと、
確かに、ドカ食いすることで一時的に幸せな気持ちになれます。
しかし、疲れているのに消化に悪いものを食べ過ぎたせいで、胃もたれし、睡眠の質も低下。
結局、身体が全然休まらないまま次の日の仕事を迎えることになってしまうからです。
こうしたことを繰り返していると、仕事の覚えもかなり悪くなってしまい、さらには、疲れた身体で日中の仕事をするため、よりストレスがたまってしまいます。
そして、手っ取りばやくストレスを解消しようと、さらにドカ食いしてしまい、胃もたれが悪化し、並行して睡眠の質も悪化。
どんどん身体に疲労がたまります。
そうなると、次の日の仕事も効率が悪くなり…
まさに負のスパイラルに陥ってしまいます。
HSPの人が感じる、初めての環境における疲労度は並大抵のものではありません。
そして、そのほとんどが言語化できないほどのモヤモヤ感によるものだったりします。
そのようなモヤモヤした状態になると、人は自身に何らかの刺激を与えて、手っ取り早くそのストレスを相殺しようとする傾向があります。
それは本能的なことなので、何も考えずに過ごせば、自然と実行してしまいます。
ですので、仕事を覚えて順調に進むようになるまでは、この「簡単なストレス解消に走らない」を意識して過ごしたほうが良いでしょう。
せっかく一日中、慣れない仕事をがんばったんだから、焼き肉とかラーメン食べるくらいいいだろ~。
と思うかもしれません。
しかし、少なくとも初めての職場に勤務して最初の1カ月くらいは、食べなれた消化に良いものを食べてみてください。
お腹に優しいご飯を食べて、ゆっくり風呂に入って、質の良い睡眠をとり、次の日の仕事に備えることをオススメします。
そうして、翌日の仕事に疲れを残さない生活をした方が、結果的に早くストレスが軽くなるはずです。
ストレスが軽くなれば、精神的にも身体的にも余裕ができますので、あなたがその仕事を続けられる可能性もかなりアップします。
あ、もちろん休日の前だったら、多少ムチャしても良いと思いますよ。
それでは、次にもう一つ重要なことを。
仕事の復習をしてアウトプットする
HSPの人は、仕事が終わったら、さっと帰宅されていると思います。
そこで家に帰ったら、その日の仕事で教わったことなどを復習しましょう。
メモを見返したりも良いですが、
オススメは「誰かに教えること」です。
つまり、アウトプットするということです。
実家に住んでいるひとなら、家族にその日の自分の仕事を話してみましょう。
ここで、単に感想を話すのではなく
- 一日の全体的な流れ
- 最初から手順を一つ一つ
- それぞれの手順を何のためにやるか
- そのとき先輩に言われたこと、感じたこと
などなど。
このように「詳細に」話してみてください。
やってみると感じると思いますが、やはり自身が仕事について理解していないと、人に詳細を伝えることはできません。
「あれ?ここで何やってたっけ」
「この次は何だっけ?」
「ここでなんか言われたな…」
と、思い返すことで記憶が定着し、仕事に慣れるまでのスピードが段違いに早くなります。
一人暮らしだし、話す人なんていないよ~
という人は、一人でアウトプットしてみてください。
どうするかというと、例えば「スマホの音声レコーダー」に録音します。
あなたがその日にやった仕事について、3~5分でまとめて話して録音します。
先ほどお話した、家族に対して伝えるときの4つの項目を意識して話してみてください。
目の前に、誰かがいるつもりでスマホに吹き込みます。
これをやることで、仕事の習得スピードがアップするだけでなく、
「ものごとの全体像をつかむチカラ」が身に付きます。
HSPの人にこそ、これをやって欲しいんです。
なぜかというと、HSPはどうしても物事の詳細な部分ばかりに意識がいってしまいがちだからです。
詳細な部分に意識がいくことは、決して悪いことではありません。
むしろ、HSPの最大の武器でもあります。
しかし、こと仕事を始めたばかりのころは、詳細な部分よりも、いかに全体像をつかみ把握するかが非常に重要です。
まず、自分の仕事の全体像を把握したうえで、今していることが全体のどの部分にあたるのか。
それを考えながら仕事に取り組むことで、仕事の習熟スピードもかなりアップします。
全体像を把握するということは、仕事における「地図」を手に入れるということです。
地図が無いまま仕事をがんばっても、結局は迷子になってしまうわけです。
3~5分で録音してみると分かりますが、うまくまとめて話さないと、どんどん時間が経ってしまいます。
できれば3分、長くて5分以内にとどめて録音したら、それを自分で聴いてみてください。
最初は、なんじゃこりゃー、何言ってんのか意味わかんない!
と思うかもしれませんが、徐々にウマくなっていきます。
3分も面倒だな~と思う人は、1分でもかまいません。
大事なのは、とにかく「全体像をみじかくまとめてアウトプットする機会を作ること」です。
ぼく自身、話が長いとか、何言ってるのかわからないとか、よく言われてました…
けど、今ではほとんどなくなりました。
これが、仕事を早く覚えることに非常に役立ちますし、仕事だけでなく、人生のあらゆる場面でも役に立ちます。
全体像をうまく把握できるようになることで、HSP独特の繊細な視点をより活かすことができるようになります。
仕事を早く確実に覚えていけるようになると、精神的にもかなり余裕ができてきます。
その状態になるまで仕事を続けられれば、あとはそのつど起こる問題に一つ一つ取り組んでいくことで、仕事を続けていける可能性がグンと上がるでしょう。
翌日の段取りを考えてから寝る
これはオマケ的なものですが、翌日の段取りを考えてから眠りにつくことで、心配ごとを減らした状態で安心して眠れます。
仕事を始めたばかりの頃は、段取りを組むことも難しいと思いますが、ある程度仕事に慣れてきたら、翌日の段取りを組んでから帰宅する。
もしくは、帰宅後に翌日の段取りを考え、それからゆっくり風呂にでも浸かりましょう。
気になることをそのままにして休もうとしても、結局休まりません。
気になることは、ある程度解消してから休みましょう。
- できるなら在宅ワークに切り替えよう
- ストレスでドカ食いや刺激物を摂取するのはやめよう
- 睡眠の質を上げ、翌日のパフォーマンスを上げよう
- 一日の仕事の全体像を人には話すor録音してみよう
- 翌日の段取りを考えて、安心して寝よう
これらは全て「精神的、身体的な余裕を作るため」に行うことです。
身体が疲れすぎず、ある程度仕事が順調に進むようになってくれば、安心感が出てきます。
人間関係、職場の物音など、HSP特有の問題は残っていますが、仕事がウマくいっていれば、あとは一つ一つ考えてじっくり取り組んでいけばよいだけです。
HSP特有の問題にプラスして、仕事自体が慣れない、うまくいかない、体調も悪い…
こうなってしまうと、HSPはさらに能力を発揮できなくなってしまうので、まずは仕事自体が順調に進むよう、優先して取り組んでいきましょう、ということです。
転職ばかりで自信がない…?大丈夫です。なぜなら
転職ばかりしていて、将来が不安…なんて思うかもしれません。
けど、問題ありません。
たとえば、あなたが面接官だとします。
目の前に、10回転職したという人が2人面接に来て、それぞれこういいました。
Aさん「10回転職したけど、自分に合う職場が全くありませんでした」
Bさん「10回転職したけど、そのぶん自分に合う職場や、適応する手段が少しずつ見えてきました」
あなたなら、AさんとBさん、どちらと一緒に仕事をしたいでしょうか。
ぼくならBさんです。
同じ転職回数の2人でも、Bさんは転職回数が多いことで、むしろ説得力が増しています。
このように、ものは考え方ひとつで希望が見えてくる面もあります。
「転職」の回数であっても、あなたが積み上げた貴重な経験であることに変わりありません。
あとは、日常生活においても、毎日少しずつ積み重ねていき「少しずつでも良い方向に進んでいる」という実感が得られるよう過ごすことも大切です。
というわけで今回の記事は
- HSPは少数派で敏感がゆえに仕事が続かない
- HSPの改善は難しいので、生活そのものの負担を減らそう
- 仕事になれるまではドカ食いなどせずゆっくり体を休ませよう
- 仕事の復習をしよう。できるだけアウトプットしよう。
- 段取りを考えてから寝よう
- 転職回数も立派な経験なんです
といったお話でした。
HSPの仕事選びについては、こちらの記事もごらんください↓
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