ぼくはかつて、どんな仕事でも完璧を目指さないと不安で仕方ないという、
いわゆる完璧主義で苦しんできました。
しかも、ぜんぜん実力が伴わないパターン
「つかえない完璧主義者」
と言われたこともあります( ;∀;)
そして、同じように完璧主義で苦しむ人を、これまたたくさん見てきました。
そうはいっても、
完璧主義は決して悪いことばかりではなく、明らかなメリットもあります。
ではなぜ、完璧主義はこうも苦しいのでしょうか?
それはデメリットの方がはるかに大きいからです。
それも単なるうわべの損得の話ではありません。
あなたの今後の人生に大きく関わってくることです。
そこで今回は、完璧主義が人生に大きく影響をおよぼす部分でのメリット・デメリットについてお伝えします。
とくに「完璧」ではなく「完璧”主義”」といわれる人はぜひ読んでください。
この記事の内容
完璧主義者のメリット
完璧主義というと、よくない印象を持たれる方も多いですが、決して悪いことだけではありません。
まずは完璧主義のメリットについてです。
メリット①完璧にやろうとする気持ちを持っていることそのもの
完璧主義の人の良いところは、目の前のことを完璧に仕上げようとする気持ちそのものです。
世の中には、なにごとにも手を抜く前提で取り組む人もいます。
人が見てさえいなければ、バレさえしなければ、いつでも手を抜こう。
そんなふうに考える人もいる中、
完璧主義といわれる人は、理由はどうあれ、完璧にしたろ!という気持ちそのものが最大の武器でありメリットです。
メリット②お客さんや契約先から信頼される
たとえば、エアコンの設置工事を頼むとき、完璧主義な人とそうでない人、どちらに頼みたいでしょう。
ぼくなら、完璧主義な人にお願いしたいです。
エアコンの設置ひとつとっても、細部をいいかげんに済ませる業者も多く、
よくある不具合なんかは大体、こうした細部から発生したりするものです。
こうした工事だけでなく、写真や絵、資料作りなどにおいても、よりこだわった仕事をしてくれる人に頼みたい。
これは、サービスを受けるお客さんからすれば、当然といえば当然です。
【注意!】メリットを受ける前提条件もある
完璧主義の人のメリットは、
- 完璧に対するモチベーション
- お客さんから得られる信頼
この2つが代表的であると言えます。
しかしこれらのメリットは、仕事が期限内に完成することが前提のものです。
仕事が期限内に終わらなかったり、お客さんから見て十分なクオリティに達していなければ、そもそもこのメリットは受けられません。
つまり、一定以上の仕事の能力、評価がなければ、あなたの完璧主義にはこのあと述べるデメリットしかない…
ということにもなってしまいます。
完璧主義者のデメリット
完璧主義のデメリットはたくさんありますが、まず大前提として、
完璧にできることは一生ない
ということを頭に入れておかなければなりません。
- 料理
- スポーツ
- モノづくり
あらゆることは全て「完璧だ!」「これ以上はない!」と思っても、すぐにまた改善点が見つかるものです。
これは、ある意味ではとても良いことであり、メリットでもあります。
改善点を修正することそのものが、モチベーションにもなるからです。
しかし、これからお伝えするデメリットが人生に及ぼす影響はとても大きなものです。
デメリット①完璧が実現不可能であるからこそのストレス
- 完璧な肉体
- 完璧な知識
- 完璧な仕事
完璧を目指してがんばってみても、そこにたどり着くことはありません。
やがて、そんな毎日に強いストレスを感じるようになります。
なんで完璧にできないんだろう。
もっとやらなきゃ。
ぼく自身も、完璧を目指さないと不安で仕方ありませんでした。
さらにぼくの場合は、完璧主義者のメリットの項目でお話したような「実力の伴わない完璧主義者」でしたので、
ほんとうに、ただただ終わりのない不安を抱えて、できない自分を責められているようで、息が詰まる毎日でした。
別の言い方をすると、
どう考えてもできないことを、ただひたすらできるようになろうとして、結局できないループ。
これにはまり込んているストレスともいえます。
完璧にできないがために感じるストレス。
これが完璧主義者のデメリット①です。
完璧主義者のデメリット②人にも完璧を求めるようになる
なかなか満足な成果を実現できず、
もはや、自分ではどうしようもできない…
そんな日々が続くと、自分を責めるストレスに耐えられなくなります。
そうして今度は、完璧を実現できない理由を、自分以外の何かに見出すようになります。
そのように、誰かのせいにする場合、いちばんてっとり早いのが家族や同僚です。
たとえば、職場の人に対しては、
- 同僚が自分の足を引っ張るからだ
- 上司が自分を理解していないからだ
- あいつらみんな、わかっちゃいないっ!
- なんで完璧にやろうとしないんだ!
と、こんなふうに思い始めます。
でも、同僚にはそんなこといえない…
という人の場合は、家族にホコ先が向かいます。
夫や妻、親兄弟に厳しく当たってしまったり、ミスを激しく指摘したり。
完璧主義で押し付けられたストレスを何らかの形で他人に向け始めます。
完璧主義がゆえに、指摘の内容が具体的だったりするため、いわれた方も黙って受け入れるしかなかったりもします。
家族にも完璧を求め始める、いわゆるモラハラ的な展開になります。
完璧主義者のデメリット③職場も家庭もギクシャクする
家族に完璧を求めるようになると、自分の思うような完璧を実現できない家族に対し、ストレスを感じるようになります。
結果、家庭がうまくいかないと、そのストレスでやがて職場でも人間関係がギクシャクするようになります。
順番がちがっても結果は同じです。
家族ではなく、先に同僚に辛く当たっていても、会社での人間関係がギクシャクし、仕事がウマくいかなくなり、
結果的にストレスで家族ともギクシャクするようになります。
職場と家庭、どちらにも居場所がなくなってしまうと、いよいよ人は反社会的な自己実現をすることでしか、自分を保てなくなってしまいます。
そうなると、
完璧主義の実現どころか、生きていくことすら辛くなってしまいます。
完璧主義者のデメリット④他人と自分を比べて辛くなる
人間関係がギクシャクし始めると、仕事にも集中できなくなり、実力を発揮できなくなってしまいます。
そうなると、同僚がいつもより「デキる」ように感じてしまい、できない自分にさらなるストレスを感じるようになります。
「どうして自分はダメなんだ…」
「自分はこんなところで終わる人間じゃない…」
このような、プライドと劣等感がバチバチと火花を散らす状態は、本当に辛いものがあります。
バチバチと引っ張り合っているだけで、なにも現状が変わらないまま消耗していき、
気づいたときには家庭も仕事も人生も、すべてがうまくいかなくなっている可能性もあります。
ストレスで人間関係にヒビが入る
↓
そのストレスで仕事もうまくいかなくなる
↓
うまくいかないストレスで人生そのものも辛くなる
このように、とにかくストレスと重圧で人生が辛くなる。
これが完璧主義のデメリットであり、リスクでもあります。
ストレス&周囲との摩擦=成功から遠ざかる
完璧主義のデメリットによって人生が辛くなっても、
それが報われる日がくるのであれば、どうにか耐えていけるかもしれません。
しかし、
そのようなストレスと周囲との摩擦が、あなたを人生の成功から遠のけてしまっているともいえます。
本来のぞんでいた未来への道から、大きく踏み外してしまうことになる、ということです。
欠点にも長所と同じだけの価値がある
ツッコミどころがある方が何事も盛り上がります。
お笑いでも、上手にボケる人がいて、上手にツッコミを入れる人がいて。
それだけで、なん百、なん千という人達がみんな笑顔になります。
またボクシングなど格闘技で、もし全くスキのない完璧な選手同士が戦ったらどうなるでしょう。
スキがなく攻めようがないので、お互いにただ構えて、
ずーっと向き合ったまま試合終了。
全く盛り上がりませんよね(笑)
これと同じように、
人の欠点や完璧じゃない部分が、人に安心感を与え、ときに心を元気に熱くしたりもします。
欠点があるからこそ盛り上がるのです。
欠点=マイナスと捉えるのは間違いです。
落ち葉はふたたび木の栄養になる
森に生えている木をみると、
年がら年中、葉っぱが生えたり落ちたりを繰り返し、冬には葉っぱがすべてなくなったりもします。
落ちた葉っぱを、ダンゴムシやミミズが食べて、
そのフンで土の栄養が豊かになり、
それを木が根っこから吸収する。
葉が落ちることで、木はまた成長するわけです。
「なんでこんなこともできないんだろう」
と、自分の能力不足や欠点に頭を抱えることもあると思います。
しかし、そうやって悩んだことが、
落ち葉が土にかえり、再び木の栄養となるのと同じように、形を変えてあなたのもとにかえってくるはずです。
もし、木が葉っぱを落とさないよう必死に耐え抜いたとしたらどうでしょう。
ミミズもダンゴムシも糧を失い、土はやせ細り、やがて木も栄養を得られず枯れていくでしょう。
弱みや欠点を無理して隠さずにいることが、
あなたが立つ大地を豊かにすることにつながります。
大地が豊かになれば、そこからあなたは再び困難に立ち向かう元気を得られるでしょう。
70%の質を上げていこう
完璧主義の人は、100%でなければいけないという思い込みはいったん置いておいて、
70%の質を上げていくことを目指せば、もっと楽に結果が出るよ、ということです。
あなたの能力が100だとして、
完璧を目指して100%を出しきると、100の結果が出るとします。
では、あなたの能力が150にアップするとどうでしょう。
70%のチカラでも、105の結果が出る。
つまり、70%しかチカラを出さずに、能力100の時より良い結果を出せるわけです。
どういうことかというと、
完璧にこだわるのはやめて、地力をアップさせよう、
ということです。
これは、
専門職の人なら、専門知識をさらに深めていくことも長期的な地力のアップにつながりますし、
能力発揮しやすい体調を維持する、つまり体調管理も短期的な地力のアップにつながります。
このあたりもいろいろな方法がありますので、機会があれば記事にしていきたいと思います。
この記事のまとめ
完璧主義は決して悪いことではない、と個人的には思います。
けれど、それで苦しい想いをしているという人は、少し肩のチカラを抜いて生きていくことを考えたほうがいいかもしれません。
完璧を目指す道は一つではありません。
「完璧」からあえて少し離れてみることで、これまで見えなかった「完璧の他の側面」も見えてきたりします。
そこから、今よりももっと楽に、そして早く、確実に完璧に近づくことができる道がみつかる可能性もあります。
というわけで、
今回は完璧主義のメリット・デメリットについてお話しました。
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